人と人との縁を切った方がいい時のお話
*運営中のnoteと同様の内容です
仕事関係者や友人関係などはまた別のお話ですが、今回は『恋愛・夫婦関係』を切るべき時について考えてみる。
金銭問題、愛情の薄れ、セックスレス、浮気、DV被害、価値観の相違、などなど、別れの理由は挙げればきっとキリがないのでしょうが、結局のところはお互いが、
「相手のことを、可愛い(=慈しむ気持ち、多少のことなら許せる心、幸せにしてやりたい)と微塵も思えなくなった時点で即終わり」
だと思う。
人により程度や許容範囲はあれど、
・食事の食べ方が気に食わず、もはや毒を盛りたくなる
・言い合いの際のちょっとした発言に過敏に反応し激昂する
・臭いがきつすぎて半径5メートルは近寄りたくない
・人に合わせるには恥ずかしい女(男)なので、知り合いに合わせたくない
上記のことを心の中で思うところまではまだセーフで、それを "優しく注意したり牽制に導いてあげる" ということができず心の中は相手への憎しみでいっぱいな時点で、もうほぼアウトではないだろうか。
その人のことを可愛いと思えるということは、イコール、「何をしても許せちゃう!」ではないんですよ(そういうデキた器の広い人もいますけどね)。
自分自身のものさしで、許容範囲内をちょっと超えたくらいのことを相手がかましたところで、慌てずに、仮にその行動が倫理的にちょっとアレだったらその人の今後を想って注意・牽制に導く心のゆとりをもてることを言うんですよ。
それが一切出来ず、ともすれば「自分のことが、何よりも誰よりもお前よりも大事」といった思考が真っ先に出るようであれば、相手のことを上記の意味での可愛いと思えていない証拠なので、一緒にいても明るい未来はないどころか、悪化の道をたどるばかりだから、さっさと別れてとっとと別の人を見つけた方が賢い。
あと即座に縁を切った方がいいんじゃなかろうかと思うのが、
喧嘩でも言い合いでもなんでもいいんですけど、何かがきっかけで何かについてもめたときに、その案件をしっかりお互いに噛み砕き、今後の2人の未来の糧にして修復を測ることをさらさらする気もないのなら別れてまえ。
これをお互い、もしくは、どちらか一方が完全拒否している関係であるのならばもう、なんのために同じこと繰り返してストレスためて、挙げ句の果てに病気になるんや、って思う。不毛不毛。
あとは、女尊男卑に取れる発言をぶちかましたいけど、ちょっとやめときます。
あ、ところで。
相手が誰であっても「自分のことが、何よりも誰よりもお前よりも大事。だから私(俺)は変わらない!」といった思考の持ち主は、恋愛であっても結婚であっても相手の方が絶対に幸せになれなくて大迷惑なので、ぜひ婚活市場からは消え失せていただき、同じ思考を持った人と恋愛ごっこをいつまでもしていて欲しいと思う。
今宵の深夜の吐き出しは以上
【#02_映画】 『真珠の耳飾りの少女』 ~ 魅惑的な絵画の誕生秘話 ~
2019年1月現在、東京・上野の森美術館で絶賛開催中の『フェルメール展』、
日本に一度に来日した作品数としては、今回が史上最多の9作品だとのことで、大きな注目を集めていますね。
東京では2/3(日)まで。そのあとは大阪市立美術館にて2/16(土)から5/12(日)まで。
関東在住の方は、「そういえばまだ行ってないわ」って方も「もう3回見たけどおらもっかい行くど」って方も、もうそろそろ駆け込み鑑賞の時期に差し掛かっているのでは。
そんな昨今なので、画家フェルメール、そして彼が生み出した代表作『真珠の耳飾りの少女』を題材にした映画を今回は紹介していきます。
10年以上も前に初見した映画ですが、この作品は静かに寄り添うように、心の中にずーっと残っています。忘れたころにぽっと小さな火が灯るように思い出し、もう一度、何度でも見たくなる、美しく魅力的な作品です。
1. "SUZUlog" 映画レビューの目的
はじめに当ブログの映画紹介は、
「展開についてゆけずなあなあになる、もしくは、頑張って見てても大した感想がもてない」
「いつも、観に行こうかどうしようか迷ってるうちに公開終了している
「あんなに観たかった作品なのに、結局レンタルや配信サイトにアップされるころには興味が失せてしまう」
「そもそも、映画ってどう観るべきなの?」
といった方に向け、少しでも「気づき」を与えて鑑賞の助けなったり、鑑賞までのひと押しになるきっかけのひとつを作りたくて始めました。
だいぶ偉そうに言ってますが、私こそが上記に挙げたような人間なので、
「通にはなりきれないし、なれるほどの情熱はないけど、
映画を観るのは大好きなんです!」
って人の気持ちはわかりまくりです。
「せっかく1日のうちの2時間を費やすなら、ちょっとでも映画を面白く観たい」
って思っている人たちに向けて映画レビューを始めました。
デザイナーとしての着眼点も交えつつ、挿画をはさみながら出来るだけわかりやすくゆるりと、ちょっとだけ話のネタになりそうな記事を提供していきます。
2. 作品のあらすじや概要
[あらすじ]
かの有名な絵画『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』から着想を得た、フィクション伝記作品。
1665年、オランダのデルフト。
事故で失明した父の代わりに、画家フェルメール家へ使用人として働きに出る。
グリートの何気ない所作や返答から、彼女の芸術的センスに気づいたフェルメールは、いつの日からかアシスタントとしてアトリエに招き入れるようになり、やがて彼女を絵のモデルとして起用するように。
一方、その様子を見た妻のカタリーナは、夫の身も心も、その若く美しい少女に奪われてしまうことを恐れ、嫉妬に喘ぎ苦しむ。とはいえ、生まれた芸術の爆発を止めることもできず、夫人が持つ真珠のピアスをつけたグリートの絵が描きあげられる。
原題 | Girl with a Pearl Earring |
---|---|
製作国 | イギリス、ルクセンブルク |
制作年 | 2003年 |
上演時間 | 100分 |
監督 | ピーター・ウェーバー |
登場人物(キャスト) | ・グリート(スカーレット・ヨハンソン) └フェルメール家の使用人として雇われる。のちの絵のモデル ・ヨハネス・フェルメール(コリン・ファース) └風俗画家 ・ファン・ライフェン(トム・ウィルキンソン) └フェルメールのパトロン ・ピーター(キリアン・マーフィー) └肉屋の息子。グリートと恋仲に ・カタリーナ(エシー・デイヴィス) └フェルメール夫人。嫉妬深い性格 ・アーリア(ジュディ・パーフィット) └カタリーナの母。フェルメールの義母 ・タンネケ(ジョアンナ・スカンラン) └フェルメール家の古くからの使用人 |
この無垢で素朴な少女・グリート役を演じるは、今でこそセクシーなクールビューティー女優へと名を馳せたスカーレット・ヨハンソン、当時なんと19歳です。現在の印象が強い、もしくは今のイメージしかないという方にこそ、彼女の若い演技をぜひ拝んでほしい。
また私は、フェルメール役のコリン・ファースが大好きでたまらないのですが、この作品における彼の渋さや、秘めたる情熱や危うさに魅了されてしまったのがきっかけとなったのは言うまでもありません。
そんな主演の2人と、彼らを取り巻く癖の強い周りの演者にも乞うご期待。
ちなみに、実在した画家フェルメールを題材にはしていますが、あくまでもフィクション映画とのこと。
『真珠の耳飾りの少女』のモデルは、彼の娘とされる説や、彼の頭の中にある想像上の女性を描いたとされる説、雇っていた使用人であったという説、諸説あるようですが、本当のところは謎のままだそうですね。
ですが、「この絵画の生まれたきっかけが、このストーリーのようであって欲しい」と願わずにはいられないほど、美しくも切ない物語です。
3. 映画をもっと楽しく観るために。世界史のお勉強タイム
本題に入る前に少し、世界史の授業をしましょう。
映画をより楽しく鑑賞するにはほんの少しでも時代背景を取り入れておくと、さらに鑑賞に深みが増すはず。
(「オレ世界史超詳しいし」って方は、次の項目へどうぞ。また、「ここ違うよ」って部分がありましたらご指摘ください)
本作の舞台は17世紀(1665)オランダのデルフト。
フェルメールは、生まれてから結婚、そして亡くなるまでの生涯をほとんどこのデルフトの街で過ごしていたようです。
16世紀から17世紀にかけてのヨーロッパは大航海時代真っ盛り。新大陸を次々と発見し、それに伴いさまざまな "新しい" 物資の発見も相次ぐような時代でした。
ことにオランダは、スペインから独立した直後でもあり、世界各地に植民地を得ることに成功し、貿易から商業、学問や芸術に至るまで大きな繁栄期を迎えます。貴族はもちろんのこと、一般市民であっても、「明日食うものもない...」なんてほどではありませんでした。
ただ、本作の設定時期である1665年に、オランダの世界進出力を恐れたイギリスから宣戦布告をされており、英蘭戦争がたびたび勃発してもいるころなんですよね。時折、作中でもその戦争の影響下からか、不穏な場面があったりなかったりします。
また、宗教もヨーロッパにおいては切っても切り離せない分野です。
この時期のオランダはプロテスタントが主流でした。
よくわからんという方のために(私も宗教全般めちゃくちゃ疎いです)簡単に書いておくと、
プロテスタントとは、カトリックから分派したキリスト教の一派で、基本的には個人の信仰に重きをおき、形式にとらわれない比較的自由度の高い宗派
ですね。
また、プロテスタントは偶像崇拝なるものを行わない宗派なので、先に書いたように、オランダではプロテスタント派が優勢だったこともあり、宗教画を求められることも少なくなってきたころでした。
なので、フェルメールの作品の多くは(というかほとんどは)、人の日常を描くいわゆる風俗画だったことも合致します。画家デビューは物語画からだったようですが、早々に風俗画家へ転向したみたいですね。
ちなみに、グリートのおうちはプロテスタント、職場であるフェルメール家はカトリックのようです。映画の前半部分でプロテスタントたちが教会へ集っているシーンがありますが、女性はみんな頭巾をかぶっています。おそらく、外で(男性の前で?)髪を見せてはいけない、という教えがあるのでしょう。
と、こういった時代の中、フェルメールは画家として生きていました。
国自体が栄えることによってパトロンも作りやすく、そうなると理想の画材も手に入れやすく、さらに人々も芸術に関心を向ける余裕も生まれやすく、芸術界隈においてもまさに黄金時代です。
とはいえ、「絵で食っていく、家族を養っていく」というのは簡単なことではありません。本作でもやはり、そういった描写もありました。(奥様の宝石を売りながら食いつなぐ、など) 絵画の黄金時代ということは、その分画家の分母も多い。画家として生きていくには、売れる絵を描く、そして富裕層に注文される絵を描く、といった画家ならではの苦悩やジレンマも、作中で触れられておりましたので後ほど追っていきましょう。
4. ここが注目のポイント! 抑えたいストーリーの軸
実在する、あまりにも有名すぎる絵画『真珠の耳飾りの少女』の誕生秘話を、こっそりとカーテンの隙間からのぞき見する気分でご鑑賞ください。
『真珠の耳飾りの少女』、とても魅惑的な絵ですよね。
フェルメールの他の作品は人物はもちろん、背景が必ず描かれています。しかし、この作品に関してだけは、真っ黒な背景の中にひとり美しい少女が佇む構図。絵としての存在感は異色のものであり、また、並々ならぬ画家の想いが感じとれます。
あの絵のモデルは一体誰?
なぜそんなにもあどけなくも潤わしい目線をこちらに送っているの?
なぜあの絵は何百年もの時を超えた今でさえ、どうしてこうも私たちを魅了してやまないの?
...などといった、探求する姿勢でもって、じっくりとそのストーリーを堪能されてください。
*フィクションですけどね!でも夢を持って鑑賞することが大事です。
ではお待たせいたしました、以下に本作の真髄にもっと近づける注目ポイントを3つ、あげていきます。
#1 グリートの芸術や創作に対する審美眼
物語の冒頭にて、色とりどりの野菜を、丁寧に美しく皿に並べる
アトリエを掃除する際、窓を拭くことで光が変わってしまうことを夫人に指摘し、ためらう
下絵で濃い色をべたりと塗る手法に興味を持つ
雲の色を問われて、「雲にはいろんな色が混じってる」と返す
絵の手前に映り込む椅子を「窮屈そうだった」と陰影を考慮して外す
たびたび、絵に関心を向ける(アトリエで彼の絵を見つめる)グリートを目にしているうちに、フェルメールは彼女の芸術的センスに気づいたのでしょう。
そんなグリートをいつの日からかアトリエに招き入れ、アトリエの清掃や顔料作り等アシスタントのように仕えさせるようになっていきます。
#2 芸術を通して秘めた愛情を育てた、グリートとフェルメールの表情の変化と心の動き、そのセッション
男女としての愛情だけじゃない、芸術を「わかっている」者同士にしか理解しあえない関係性が短い時間の中でしっかりと構築されています。でも、確実に深い見えない部分では男女であるが故に生まれる、感情の所在に対する葛藤が見え隠れしているんですね。互いの立場や元々持っている性格もあってか一線は決して超えられない。だから、フェルメールは妻に、グリートは肉屋の息子ピーター君に、言い方は悪いですがその葛藤の処理を済ませるような描写もあります。
しかし、フェルメールとグリート。直接的なシーンも言葉もないのに、この2人の醸し出す空気感、お互いを見つめ合う視線がとても官能的です。アトリエに2人でいるどのシーンも、カーテンの向こう側をそっと覗いて、少しいけないものを見ているかのような感覚に陥ってしまう。
特にフェルメールの方は、グリートを心から大事にしているのがこちらが恥ずかしくなるくらいに見て取れます。グリートが少しピンチになるシーンがいくつかあるんですが...、彼女を想うが故にとっさに出てしまう行動の数々に私の心はやられてしまいました。そうそう...気持ちは言葉じゃなくて行動に出ちゃうんだよね〜...!って。
#3 芸術に疎い妻カタリーナの嫉妬心と、たびたび出てくる大奥様の絶妙なアシスト
上記2項目は、フェルメールやグリートの立場から見ると「がんばれ!いい作品をたくさん作ってくれ!」と願わずにはいられないものですが、彼の妻・カタリーナからしたら「おもしろくないわ」なんてかわいい言葉では片付けられないでしょう。
ただでさえ、自分よりも若く、教養はないかもしれないが聡明で、さらに自分にはない "芸術的審美眼"を持ち合わせてる美しい少女が突然やってきて、愛する夫の前に現れるだけでなく、大切なアクセサリーを使われようとし(最終的には無断で使われますのでもう大変です)、ずっとアトリエに2人きりだなんて、そりゃヒステリックにもなります。おまけに、夫の絵が思うように売れず悠々自邸な暮らしとはほど遠いですしね。なおさらです。
ただ、フェルメールも義実家に置いてもらっている身であり、パトロンを失うわけにもいかず、「絵を描くためならなんでもする!!口出するな!!」などと傍若無人には振る舞えないんですよね。彼の本来の性格もあるのでしょうけど。
そんなカタリーナを尻目に、商才もコミュ力も芸術的理解度もそれなりに持ち合わせているのが、大奥様のアーリアです。実の娘の情緒を気にしながらも、義息子の絵は売れてくれなきゃ困る。彼の作品へのモチベーションはこのグリートの存在あってこそだと早々に気づいております。ので、ちょいちょい、「いいね!」と言いたくなるアシストをしてくれてるんですよ。誰よりも彼の制作意欲を案じ、絵を売ろうと頑張っている、なかなか目を離せない人物です。
5. 随所に散りばめられた、フェルメールの痕跡
フェルメールの生きた証を尊重し敬うかのように、丁寧に作られた映画。
それは、映像の端々に映る小道具やセットにしかと表れておりました。
#1 作中にフェルメールの絵画がふんだんに使われている
彼の著名な作品が何点か映画の中に出てきます。
ただ画面に映されるだけではなく、使われている色の名前や調合方法、構図などの小ネタや裏話が添えられているので、実際に絵画鑑賞するのもより楽しくなりそうです(*なんども書きますが、フィクションなのでどこまで史実に忠実であるかはわかりかねます)
映画のストーリーにぐりぐりと絡んでくる絵は以下のものです。
#2 フェルメール・ブルーの魅力
フェルメールといえば、深く鮮やかさも感じられる、目の覚めるようなブルーを好んで使われていることは有名です。群青色、ウルトラマリンブルーとも呼ばれます。
この青色の顔料の多くはラピス・ラズリという天然鉱石が原料。このラピス・ラズリという鉱物は、金よりも希少価値が高くとても高価なものだったそうで、なかなか手に入れるのも難しかったことでしょう。
映画内でも、フェルメールはこのブルーにこだわるシーンがいくつもありました。大切な群青色の絵の具の調合をグリートに任せているシーンは、なんかだかもうなんだか、、心が揺り動かされます。
#3 アトリエの再現性
画面左手に大きな窓が連なり、奥の壁際に椅子やテーブル、モデルを配置する...
私たちがよく知るフェルメールの画角、構図など、本当にもうそのまんま。
暗い画面から、光が差し込み徐々にアトリエ内が露わになるシーン、初見のときは「わ...フェルメールの絵だ...!」と感動を覚えたものです。窓そのもののデザインの再現性もお見事。
私がアトリエ内部で特に気に入ってしまったのは、絵の具調合のテーブルでしょうか。フェルメールがグリートに色の説明をするシーンで、顔料の原材料やすりつぶす道具、絵の具を溶かすアマニ油などがテーブルに広がっています。絵の具を作る過程を見るたびに「この色があの絵画の一部になるのだな」とわくわくしながら観たものでした。
本当に細部までこだわってよく作られています。ぜひ、いろいろ発見してみてください。
#4 カメラ・オブスキュラ
フェルメールは「光の魔術師」という異名があります。
その謂れは、彼はカメラ・オブスキュラというピンホール現象を取り入れて絵を描いていたのではという説から来ています。
フェルメールの作品はどれも、遠近感や光の入り方に狂いがほとんどなく、見えたものをそのまま忠実にキャンバスに描き落としたかのような作風。
その装置は、ピンホールレンズから通した映像が箱内の反対側の壁に倒置して映されるので、それをトレースしていたのでは、と言われているんですね。
ちなみにですが、光が反射するいわゆるハイライトと呼ばれる部分を白色または明るい付近の近似色で点描するポワンティエ技法を取り入れていたことも、彼が「光の魔術師」と呼ばれる理由のひとつです。直上の項目[カメラ・オブスキュラ]でとらえた映像に見られる独特な光の表れ方を表現したのだと、一説にはあります。
ポワンティエすることでどんないいことがあるのかというと、光の粒子ひと粒ひと粒をつかまえるように描くことで、そこにあたる光がより柔らかく優しく、立体的で自然な表現ができるとのこと。
女性用メイクで、アイシャドウやファンデーションなどには微小のパールラメが入っていることが多いですが、肌が綺麗に見えるだけでなく、立体的でメリハリのついたお顔になれますよね。その原理と考えるとわかりやすいのでは。
6. おわりに。
ハッと目を見張るような大きな展開もなく、直接的な言葉もシーンも出て来ず、ドラマティックなフィナーレも迎えない、どちらかというととても地味な映画かもしれません。決して「そういう類のおもしろさ」を期待して観る映画ではないです。
言えることは、彼が生きた時代から何百年も先の現代にいる私たちをこうも魅了し続ける、彼の画家人生のとある一部分を切り取っただけの映画です。
それをどう堪能するか、静かな時間の流れをどう感じるか、その物語の先をどう観るか、すべて鑑賞者に委ねられています。
私は、いわゆる『伝記映画』と振り分けられる映画がジャンルとして大好きなのですが、史実や著作に基づく、ひとりの人間の一生涯のある一部分もしくは半生にスポットライトを当て、その時代の空気感や政治的・社会的背景を突き詰めて創造された結晶を鑑賞するのって、とても贅沢だなぁって思えるんですよね。
こうやって気に入った映画のレビューを書くことで、その時代背景や世界的な歴史を調べたり、関連著書を見漁るのもめちゃくちゃ楽しかったです!
あさーくひろーい知識になりがちではありますが、映画ひとつ掘り下げることで少しでも新しい発見が芋づる式に得られるので、もっともっと伝記映画を観て、レビューしていきたいと思います。
そんな伝記映画の中でも、今回紹介した『真珠の耳飾りの少女』は(そもそもフィクションなので伝記映画と言えるかはあやしいけれど…)、1位2位を争うくらい大好きな作品です。
ちなみに今回開催中のフェルメール展ですが、『真珠の耳飾りの少女』は来日していません。よく似た画題の『真珠の首飾りの女』が来日しております。
(東京だけかな?詳しくは公式をご覧ください)
関東近辺ご在住の方は、行かれるのであればお早めに!!!
関西近辺ご在住の方は、2月半ばから開催されますのでお楽しみに!!
それではまた次回まで。
【#001_読書】『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 読書感想とアートワーク
1/18(金)に、アメリカ文学作家J.D. サリンジャー氏の伝記映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』が公開されましたね。
恥ずかしながら彼の作品はどれも読んだことがなかったのですが、この映画を鑑賞する前にせっかくなので、もっとも著名な『ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』を手にとってみました。
本作は主に、有名どころでは野崎孝氏と村上春樹氏によってそれぞれ異なる時代に翻訳されておりますが、迷いに迷って、今回は村上さんの方を。
村上節のおかげなのでしょうか、この主人公ホールデン、社会を斜めに見ている厄介な男の子なのですが...、なんでしょうね、読む前にもともと持っていた彼の印象よりも、繊細で柔和で、上品さも見え隠れしているような印象に受け取れました。
それでは、本作を読んだ感想を少しと、この作品をイメージした装画を描いてみたので下に紹介します。
-----
学校を中退した16歳のこの少年、「あれは嫌い、あいつはインチキ野郎、これも気に食わない、こいつも生意気なやつ、早くオトナになりたい、女とヤリたい、酒飲ませろ、タバコ吸って何が悪い」などなど、四方八方に(心の中で)毒を吐き、大人ぶり、見下し、悪態をつきながら人と関わっていきます。物語は終始、彼のぼやきに始まりぼやきで終わる一人舞台です。
きっと誰しもが多かれ少なかれ不満や怒りや恐れを抱いていますが、特に多感な年代のころには、それを向ける矛先がはちゃめちゃだったり、じょうずに消化できなかったり、同級生よりも少し悪いこと・オトナなことをすることでちょっとでも抜きん出ることが、自分への慰めになったりしますよね。
だけど、ホールデンには尊敬する兄がいて、かわいい妹がいて、まともな父も母も健在で、根は優しい男の子です。だからこそ、普段はたいそう攻撃的でありながらも、ある部分の一線は超えられなかったり、誰かの優しい言葉がしみてしまったり、自分自身が恥ずかしくなってしまったり、そんなヘタレな自分が大嫌いだったり、色々なジレンマに苛まれて自由になりたくて仕方がなくて、いっそのこと、高いたかーい都会のビルの上から突き落とされてしまいたいような感覚に陥るのは痛いほどよくわかります。
そしてホールデンは、「ライ麦畑で無心で遊んでいる子供たちが、その崖から落ちそうになるのなら、僕はその子たちが落ちないようにつかまえてあげる人になりたい(*意訳です)」と文中で語っています。このパラグラフが本作のタイトルにも繋がっているのですが、ホールデン自身が、もし道を踏み外しそうになっていたら誰かに手を引いてほしい、もし僕がビルの上からぐるぐると落ちてしまったときには抱きとめてほしい...という彼のある種のSOSに似たものをこの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』から感じ取れました。
もし、私が中学生や高校生のときにライ麦畑に出会っていたら、どんな感想を持っていただろう、とタラレバですが興味がありますね。
本書は結構読み込んだので、時間ができたら野崎氏訳の方も読んでみて、読み比べしたいと思います。
また、映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』も近日観に行く予定です。意外にも取り扱っている劇場が限られているようなので、いい時間を狙って。
それではまた次回まで。
広報ご担当者さまへ:貴社に "ちょうどいい" デザイナーの探し方6パターン
こんにちは。
SUZUdesignグラフィックデザイナーの岡野です。
さて、先日、広告・販促物のデザイナーをお探しのご担当者さま向けに
『広報ご担当者さまへ:貴社に "ちょうどいい" デザイナーの探し方5つのステップ -』
という記事を書きました。
このときは、案件に対しデザイナーを決定していくにあたって主に見極めていくポイントを重点的に紹介していきました。
今回は、どこで/どのように探すかについてを紹介できればと思います。
1. 前回記事のまとめ
たとえば「会社案内やWEBサイトをリニューアルしたい」とか、「チラシや名刺を企画の上製作して欲しい」とか、そういった要望があったとして、
とはいえ、自分たちで(テンプレートサイトを使うなどして)リーズナブルに作成して変なものが出来上がっては困る。だからプロに依頼したい、という話になったとします。
だからといって、超大手有名代理店や、超有名クリエイターが立ち上げたプロダクション、はたまたデザイン事務所へ依頼すればほぼ間違いのないものを納品してくれるはずなのですが、それは比較的予算が潤沢にあるか、社運をかけ起死回生を図る企業でなければ、なかなか考えが及びにくいですよね。
中小企業や個人店などを対象にヒアリングしていると、
「チラシ、会社案内を作りたくて、でも自分たちではどうするべきなのかわからないから依頼したい。でも、デザイナーなんてたくさんいるので、誰がいいのか、どう探すべきなのかわからない」
といったお声を良く耳にします。
いわば、
「会社案内や名刺ひとつ依頼するだけで嫌な想いをしたくないし、値段もそこそこで、でも安っぽいのにはしたくないし、ちゃんと提案もしてほしいんだよね」
ひと言でいうならば、
ちょうどいいデザイナーさんと出会いたい!!
というホンネがあると、それを前提としてお話を進めてまいりました。
そこで、貴社の想いを叶えてくれるデザイナーさんと出会うためには、以下の5点のポイントに特に注視されてみてください。
*以下、『制作(デザイン)会社』『プロダクション』『フリーランス』『クリエイターチーム』等は、便宜上 "デザイナー" と表記いたします
「なんでもできます!」「なんでもお任せを!」とうたうデザイナーよりも、貴社の欲しい分野の販促ツール制作が得意であると明記しているデザイナーを重点的にチェックし、絞っていきましょう。
そのデザイナーのホームページにある作品集へアクセスし、貴社の希望するデザインを叶えてくれそうなデザイナーを絞っていきましょう。
そのデザイナーのWEBサイトに書かれたコンセプトを見てみてください。どんなコンセプトや理念を持って仕事をしているか、どんな人柄か、自身のデザイナーとしての在り方をどう捉えているか、を知り、判断していきましょう。
貴社の定めた納期から逆算して、なるべくご依頼の案件に関わる全フローを提示してくれるデザイナーを選びましょう。スケジュール管理、ハンドリングができる/できないは、案件を完遂させる/させられないの鍵となります。
貴社の予算がオーバーになってまでデザイナーの言い値を我慢して受けない。また、デザイナーが自身で設定している価格より大幅に値下げさせてまで依頼しない。予算と価格が双方許容範囲内で受発注できるデザイナーを選びましょう。
ざっとまとめますと上記のようになります。詳細は『広報ご担当者さまへ:貴社に "ちょうどいい" デザイナーの探し方5つのステップ -』をご覧いただければと思います。
また、前回の記事では「どこで、どうやって探すの?」という部分には触れてなかったので、今回はその辺を洗っております。また、それぞれにメリット/デメリットを設けましたので、貴社にあった方法でデザイナーと接触されてみてください。
2. 「ちょうどいいデザイナーと出会いたい!」デザイナーの探し方6パターン
検索エンジンを使った検索方法(ex.『チラシ デザイナー 依頼』など)は、おそらく誰もがまず取り掛かるであろう作業と判断したため、割愛しております。
ただ、以下の6パターンを経て気になるデザイナーを見つけた際は、検索エンジンを使ったりURLを直接打ち込む等して、必ずそのデザイナーのホームページをご確認されることを推奨します。
#0 〜プロローグとして〜
前記事同様、依頼例を下記として各ポイントを紹介していきます。
遅くともオープンの1ヶ月前には常連さんや周辺地域の住宅に順次配りだしたいので、納品は今から2ヶ月後がマスト。「どんな内容を入れるか」から相談したく、さらに店内外の写真、数点のおすすめ料理の写真をも載せたい。裏表印刷にしたい。比較的単価の高い店なので、それなりのクオリティで、撮影もプロに依頼したい。部数は2000部を希望。全体の予算は10万円前後。
たとえば、上記のような販促ツール(=この場合はチラシです)を必要としていたとします。もちろんこれに限ったことではないので、貴社の必要な販促物や納期、ご予算へ変換しながら読み進めていってください。
#1 人づて、知人から紹介してもらう
「行きつけの店の常連にデザイナーがいるらしい」
「○○部の●●さんの同級生がデザイナーやっていると小耳にはさんだ」
「取引先の○○社がパンフレットのデザインを依頼したようだけど、どこだろう?」
など、仕事の場でもプライベートの場でも、デザインを生業にする人と繋がっている人脈は意外にもいたりします。
たとえば、ある日「新店舗をオープンするに当たってチラシを作りたいから、ちょっとデザイナーリサーチして」とオーナーに言われた際、あまりにも広大な世界から、ゼロから探し始めるよりも、まずは身近にいる、デザイナーと繋がりを持っている人にコンタクトし、紹介を受けてみてもいいかもしれません。
・紹介された案件ならではの緊張感で、デザイナー側が取り掛かってくれる
・仮にトラブルが生じた際、3者間のトラブルになりかねない
私自身もフリーでデザイナーしていますが、ご紹介で案件に入る場合も多くあります。
デザイナー側としては、「紹介者の恥にならないように、また、より期待されているご依頼者さまのそれを裏切らないように、慎重に丁寧に取り掛かる」という、直接案件とはまた違った緊張感を持って着手いたします。
ですが、デメリットにもあるように、スケジュール感や予算感、やりとりの仕方やスピード感など、「なんかちょっと合わないなぁ」ということは、人と人の関係なのでもちろん出てくることと思います。なので、不安要素があるにも関わらず、「○○さんが言うんだから大丈夫だろう」といったある種のバイアスを持ちながらご依頼を進めてしまうのは避けた方が良いです。
また、ご紹介だからといって、友人価格、ご紹介価格(いわゆる値下げです)をアタマから期待するのも、関わる全員にとってあまり良い結果を生まないので、それありきでご依頼されるのはやめましょう。
#2 デザイン書に掲載されているデザイナーをたどる
書店へ足を運んだ際、<デザイン>のコーナーへ立ち寄ってみてください。世の中に溢れる、数々のデザインをまとめた書籍が並んでいます。
*左から
・『個性が光る! 小さな会社のブランディングブック』
・『スタイル別 ブランディングデザイン』(PIE BOOKS)
・『ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング』
デザイナーは、自身の引き出しのインプットのためにこうした書物は何十冊と持っているものですが、<ブランディグ><WEB><パンフレット><チラシ>に特化したデザインまとめ本が多くあるので、クライアントさまもぜひ気になる販促物のデザイン書1冊は所持されていることをオススメします。
というのには理由は大きく2つあります。
理由 1.
デザインカタログとしても活用できるため、たとえばチラシを作りたいと思っていた場合、具体的なデザインのテイストを事前にピックアップし、「こんな感じに作って欲しいんだけど」とベンチマークとしてデザイナーに提示できて依頼がスムーズ
理由2.
上記のような多くのデザイン書には、各制作物につきクライアント名や制作したデザイナー名の書かれた情報を記載しているので、気に入ったデザイン→それを作ったデザイナーと辿っていける
上記の理由2つ目が本項の本題ですが、書籍をペラペラとめくりながら、「これ良いデザインだな。きっと良いデザイナーなんだろうな。どこが作っているのかな。」という発見から制作者を把握するまでの3フローが比較的スピーディーであり、デザイナーがわかればあとは検索エンジンにかけ、そのデザイナーのWEBサイトを訪れる等して詳細な情報を得ることができます。
・デザイナー探しのかたわら、作りたい販促物のデザインテイストを検討、ピックアップできる
既述のものは、順序として気に入ったデザインからデザイナーをたどる方法でしたが、デザイナーから探すことのできる本もあります。
・『MdNデザイナーズファイル2018』(MdN)
毎年毎年、日本国内外問わず(主に日本人、日本国籍のクリエイター対象)活躍するデザイナーやアートディレクター、制作会社を取り上げて、手がけた作品数点からプロフィールまで紹介されている本です。取り上げられている作品は、フライヤーやパッケージ、ロゴ、ブランディングによりトータルにデザインされたもの、などなど、私たちの身近にあるような比較的小規模な販促物が主な掲載情報でしょうか。
しかも素晴らしいのは、そのデザイナーの連絡先やURLまで記載があるため、コンタクトを取るまでの煩わしいフローが一切なく、ほぼワンオペで気に入ったデザイナーと繋がれる良本です。
さらに、当然本書に毎年名を載せる著名クリエイターはおりますが、「初めて聞く名だが、こんなに素敵なデザインを作れるデザイナーがこんなところに!」といった「掘り出しビト」を発掘できる嬉しさが心に灯るのもまた、MdNコーポレーション社の発行するこのデザイナーズファイルならではです。
余談ですが、有名広告や大手企業のプロモーションなど、そちらを知りたい/見たいという方はADC年鑑やJAGDA年鑑をおすすめします。定価税込で約¥20,000弱はしますが、一見の価値ありですよ。
#3 営業メール/電話/DMにのっかってみる
あまりメジャーではないようですが、電話やメールを使って一般企業や店舗様に「デザインしますよ、いかがですか?」と営業をかけるデザイナーもおります。
おそらく、デザインに関わらずたくさんの営業メールや営業電話が毎日届いていることかと存じます。
そんな中、我々は貴社の業務の忙しいさなかに、業務とは関係のない営業メールを一方的に送りつけておるため、送信した1通1通のすべてが読まれているとは到底思っておりません。
ただ、営業をかけた先がたまたまデザイナーを求めて(探して)いたところで、たまたまお手すきのときにその営業を受けてくれて、たまたま「じゃあちょっと耳(目)を傾けてみようかな」という気にちょっとなってくれて、という、ひと筋の光を求めて営業活動をしております(どの業界のどの営業もきっとそうですよね)。
それでは、ケーススタディのようにたまたま「チラシを作りたい」と思っていたところに、突然やってきたデザイン系の営業の中から「デザイナー検討リストにストックしてもいいかな?」と思われる業者のポイントを<電話編>と<メール・DM編>に分けて極簡単に箇条書きしてみますので参考にされてみてください。
<電話編>
あらかじめ、貴社の企業情報と、貴社の業界をある程度把握した上での架電であること
「チラシの制作を考えている」と伝えた場合のヒアリング力を観察する(ex. 予算、納期は当然ながら、大体の仕様、なぜそれが必要なのか、どんな用途で使うのかなどを聞いてくるか)
必要な制作物のある程度の情報を伝えたあと、大体の粗概算を教えてくれること
<メール・DM編>
一斉送信ではなく、"貴社のために" 送ったメールであること
貴社のWEBサイトやSNSなどから現状・情報を考慮した上で、「貴社に何が必要か、何が足りないか」が記載されていること
さらに、貴社のためにその業者は何ができるかを記載されていること
・自身のアシで獲得した案件であるため、より一層大事に着手してくれる気概がデザイナー側に生まれやすい
・新規開拓のための営業か、実力と仕事がないが故の営業かによって、デザイナーの質がピンキリである
どんな営業手段であっても、「営業リストの上から順繰りに突撃しています!」というような営業姿勢が透けている業者よりも、
「貴社のここが気になりますが、○○することによって改善されるかもしれません」
「新店舗オープンされるんですね。チラシやロゴは間に合っていますか?」
などといった、貴社の現状に寄り添うような営業をするデザイナーを、ぜひ検討リストに入れてみてくださいね。
#4 クラウドソーシング等でしらみつぶしに探す
クライアントさまとデザイナーのオンラインでの出会いの場として、昨今ではもう定着したサービスですね。
有名なところだとランサーズやクラウドワークスにはなりますが、使用されたお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。
私はデザイナーなので、こういった類のサービスは当然制作する側として使っていましたが、デザイナーとして勤め始めた1〜2年目くらいまでは大変お世話になっていました。つまり、会社の仕事のみではなく、クラウドソーシングに日々何十件も登録されてくる新しい案件を、片っ端からデザインして応募して、を繰り返していました。
何が言いたいかというと、クラウドソーシングという場所は、プロもアマも、上手いも下手くそも混在しております。
もっと端的に言うと、
リタイアして(or 家庭に入って)暇を持て余す、(ちょっと)デザインソフトの使える方
私のように、デザイナーになりたてホヤホヤの方
デザイナーになろうと勉強中の方
が大半を占めているかと思われます。
とはいっても、最近はこういったサイトから仕事のご依頼がくる可能性もあるのでしょう、一応登録してプロフィールやポートフォリオを入れているデザイナーや制作会社もたまに見かけますね。
・ショーウィンドウのようにデザイン(デザイナー)を選べるので手軽
・手数料・システム料をサービスに中抜きされ、直接取引をするとペナルティを課せられる
なぜ、プロと呼べるようなデザイナーがこういった場所にいないかというと、プロは、「デザインの持つ力と価値」を熟知しており、また、それ相応の価格でそれを提供しているからです。
ただ、貴社のご予算あってのデザイン制作依頼なので、それに見合った制作者、それに納得して取り掛かってくれる制作者を探すにはもってこいの場所なのではないでしょうか。
#5 SNSで普段交流のある、もしくは気になるデザイナーにコンタクトしてみる
ひょっとしたら言うまでもなく、最近は検索エンジンではなくSNSでのハッシュタグ検索が主流かもしれません。
twitterやInstagram、ブログなど、一部のクリエイターたちはSNSを巧みに扱い、戦略的に自身をオンラインで売り込んでいます。この項目のほとんどの場合は、フリーランスのデザイナーと思ってください。
彼らは一般の方とは違い、仕事が舞い込んでくる窓口として、ホームをキャンバスに見立てて自身の作品やコンセプトを投稿し、それをひとつのポートフォリオと化してある種の営業をしています。
デザイナーそれぞれ、自身をブランディングして "もっとも自分らしい魅せ方" を研究し、それぞれの色を展開しているので、SNSのハッシュタグで#グラフィックデザイナー等で検索をかけてみると、思わぬデザイナーとの出会いがあるかもしれません。
「素敵っぽい人がたくさんいて迷っちゃうんだけど、結局どんな人がいいの?」といった質問に答えるなら、ひとつだけ言えることは、
隙なくクリエイターとしての自分を売り込む "画力" をそのSNSから感じられるデザイナーは、依頼してもほぼほぼ失敗はない...と、個人的に思います。
この辺りは、いずれピックアップした記事を書けたらいいですね。
・おおよそ個人を特定できるレベルでSNS発信しているため、ほとんどの場合は下手なことはされにくい
・デザイナーの実績になるような制作物であった場合、発信してくれるので貴社・事業の宣伝にもなる
・リテラシーのないインフルエンサー的デザイナーだと、何か貴社によるトラブルがあった際にその内容を晒され拡散される危険性があるので、発注前に機密保持契約をしっかりと締結すること
仮にSNSではない場所でデザイナーに出会い、発注先検討リストに入れることになったら、そのデザイナーのHPはもちろんのこと、その方のSNSは見ておいて損はないです。というか、自社の大切な販促物のデザインを作る人がどんな人なのかを知るにはとても大切なステップだと考えます。詳細なその理由は、前回の記事の#3 デザイナーの人柄を確認する〜 にて詳しく触れています。
#6 多業種交流会や、クリエイターの集まりそうなイベント、セミナーへ出かけてみる
ネットや本で探すよりも、物理的に実際のデザイナーに会えるのが、クリエイターの集まりそうな交流会、イベント、セミナーなどです。
その場で顔を付き合わせて、名刺を交換して、実績やポートフォリオを見せてもらい、価格帯や受け答えに好印象が持てればもう少し詳しくお話を進めても良いでしょう。
私個人が、そういった場所にほとんど出向かないもので、現場がどのような感じかあまりイメージが湧かないのでこの項に関してはここまででお許しください...
年明けもそういったイベントはたくさんあると思うので、どんな場所を狙って行くと、理想のデザイナーと出会いやすいか、記事化するためにリサーチする意向はあります!!ので、しばし、加筆をお待ちください!
とはいえ、このままでもカッコがつかないので、想像レベルでメリット/デメリットを記載しておきます。
3. おわりに。
以上、最後の3項目くらいは少し駆け足になってしまいましたが、6パターンのデザイナーの探し方/出会い方を紹介してみました。
中小企業さまは年度末に向けて、必要な販促物の発注も増えてくるのではないでしょうか。「デザイナー探さなきゃ!」なんて折には、ぜひこの記事を思い出してくださいね。
不明な点やご質問がありましたらご遠慮なくお知らせください。
こちらへのコメントでも結構ですし、SUZUdesignのお問い合わせページからもご連絡いただけます。
たくさんの企業様、店舗様に、デザインのチカラを届けていけるような発信を、引き続きSUZUdesignはしていきます。
広報ご担当者さまへ:貴社に "ちょうどいい" デザイナーの見極め方5つのステップ
こんにちは。
SUZUdesignグラフィックデザイナーの岡野です。
突然ですが、全国の販促・広報に携わるデザイン発注者のみなさま、
デザイナー、もしくは制作会社をどのように探されていますか?
私は、会社員時代はタイプの異なる3社(WEB制作会社、ブランディング会社、代理店)を経験したのちにフリーランスになり、さらに客先常駐として、化粧品会社のインハウス、プロダクション、デザイン会社など様々な種類の事業所にて業務を遂行してきました。
現在は、完全リモートで代理店さんから案件をご紹介いただいたり、お客様から直接お問い合わせをいただいたりして、広告物や販促物、つまり、パンフレットやチラシ・名刺などの紙媒体や、WEBサイト・アプリ等のデザイン、企画を手がけております。
時にはこちらからメールをするなどして、サイトの導線や構成の組み方が気になった企業様、店舗様にお声がけすること(営業ですね)もしております。
ありがたいことにそれにお返事をいただいて、ご依頼に結びつく/つかないに限らずヒアリングをするのですが、
お客様が広告・販促物のデザインを依頼することに関して「ああ、これは確かにそうだな」と思うことがありましたので、今日はそのお話を。
1. デザイン発注者様の、デザイナーに対するホンネ。
たとえば、
「チラシ、会社案内のパンフレットを作りたいが、自分たちではどうするべきなのかわからないから依頼したい。でも、デザイナーなんてたくさんいるので、誰がいいのか、どう探すべきか、どう見極めるべきかわからない」
といったお声を良く耳にします。
それがお客様の抱えるひとつのお悩みであり、ご依頼に二の足を踏む原因でもあり、さらに本音を言うとすると、
「チラシひとつ依頼するだけで嫌な想いをしたくないし、値段もそこそこで、でも安っぽいのにはしたくないし、ちゃんと提案もしてほしいんだよね」
ひと言でいうならば、
ちょうどいいデザイナーさんと出会いたい!!
んですよね。お客様は。
余談ですが、大規模かつ予算が(比較的)潤沢にある大企業さんの話からざっくりとしてみます。興味がなかったら読み飛ばして次の見出し(*本題)へ。
*下記に限りません。とある例のひとつとしてとらえてください。一部脚色もありますので悪しからず!
たとえば、
TVやWEB動画に飛び込んでくるCMをバンバン打っている大手企業
ともなれば、おおよそは、大手広告代理店や名の知れたプロダクションと長期契約を締結の上、それにまつわる業務を委託している場合がほとんどです。
私から見れば桁違いの広告予算を伝えられ、その中で動けることを大胆かつ緻密に計算しながら制作に入っていきます。
大手広告代理店(*以下、有名プロダクションもこの言葉の類として "大手広告代理店" と記載します)の実働としては、キービジュアル(=広告対象の商品、プロジェクトを視覚的に表現する "顔" となる概念の構築とその制作→ポスターやCM、パッケージ、チラシ等に流用するものになります)の制作に注力し、
その他、商品パッケージや、それを市場で販促するためのチラシや店頭POP等の細かなデザイン案件も、大手代理店がいったん掴み、捌き切れない分の制作は下請け下請け&下請けに降りていく...というような構造です。
その企業のネームバリューを守るため、制作陣たちは昼も夜も関係なく文字通り身を削って従事し、個々の持ち寄る知識と経験を惜しみなくフル活用し、素晴らしいクリエイティブを日々生み出しています。
正直、大手代理店にご依頼されれば、おなかいっぱいになるくらいの数の案を企画提案してくれ、数えたくなくなるほどのリテイクおよび無茶振りを投げても大抵は打ち返してくれ、ほぼ間違いのないものを納品してくれます。
*どんな制作会社に対しても無茶振りは極力やめましょう。
でも、このような莫大な資金を必要とする依頼の仕方ができる企業様は、ひと握りです。
「D通?HH堂?KS和さん? そんなん無理に決まっとろうが(怒)なんぼかかんねん!!」
...と、私でも思います。
冒頭のものを繰り返しますが、
ちょうどいいデザイナーさんと出会いたい!!
んですよね。
あと欲を言えば、
予算内に抑えられて、優しくて、でもちゃんとしっかりハンドリングはしてくれて、それでいてこちらの言いたいことを体現してくれる、総合的に満足度の高いデザイナーさんがいい!!!
んですよね。了解です。出会っていきましょう。
2. 「ちょうどいいデザイナーと出会いたい!」デザイナーの見極め方5つのステップ
日本における大半の中小企業様、店舗様の中で、
「じゃあいきなり超有名大手代理店○社に依頼して、大々的にPRさせようか!!」
となる企業さんはなかなかの少数派ではないかな、と思います。
なのでそれ故に、大手広告代理店へ依頼するという選択肢を外した場合、
デザイン制作会社やプロダクション、クリエイティブチーム、はたまたフリーランスでデザイン業を営む方は星の数ほどおり、その膨大な数の中から良い関係性を築けるデザイナーと出会うのは、大変だし、「骨の折れる作業だなぁ」「めんどくさいなぁ」と思ってしまうのは無理もありません。
また、双方の相性や作品性の趣向、得意分野も多種多様なので、一概に「こう探すのがベスト!」「絶対この人(会社)がいいよ!」とも言えないのが辛いところなのですが、
「こういった点に気をつけながら探してみては?」と提示することは可能です。
今回は、デザイナーの見極め方や抑えておきたいポイントを5つのフローで紹介していきますので、ぜひ貴社の想いを形作ってくれる素敵なデザイナーさんと出会ってくださいね。
ちなみに肝心の「何処で探すか」というのは別記事にて記載しましたので、併せてどうぞ。
*以下、『制作(デザイン)会社』『プロダクション』『フリーランス』『クリエイターチーム』等は、便宜上 "デザイナー" と表記いたします
#0 〜フローのプロローグとして〜
まず、フローを展開するのにわかりやすくするため、依頼例を下記とします。
遅くともオープンの1ヶ月前には常連さんや周辺地域の住宅に順次配りだしたいので、納品は今から2ヶ月後がマスト。「どんな内容を入れるか」から相談したく、さらに店内外の写真、数点のおすすめ料理の写真をも載せたい。裏表印刷にしたい。比較的単価の高い店なので、それなりのクオリティで、撮影もプロに依頼したい。部数は2000部を希望。全体の予算は10万円前後。
たとえば、ご依頼者さまが上記のような販促ツール(=この場合はチラシです)を必要としていたとします。以下は、この依頼例を軸にして話を進めていきます。
また下記の3点を最低限、デザイナーに依頼、もしくは見積もり依頼する際にお伝えする、ということを覚えておいてください。
広告・販促物の制作にかけられるご予算
納期(納品してほしい日)と、それを実際に使い始めたい日
デザインに入れる要素(構成、写真、テキストなど)の持ち合わせの有無
もちろん、見積もりを詰めるときにはさらに詳細な情報が必要になってきますが、ファーストコンタクトでは最低限上の3つが揃っていれば誰も悲しみません。
それでは、そんなことを踏まえた上で、さっそくデザイナーの見極め方、探し方を見ていきましょう。
#1 得意分野を明確にできるデザイナーに絞る
たとえば、WEBの検索エンジンから探す際、結果一覧には膨大な数のデザイナーの、WEBサイトへ誘導する文言とURLが並びますね。
ひとつひとつURLをクリックして見なければ、どんなデザイナーがいて、どんなものを作れるのかわかりません。
そこでまずやって欲しいことは、デザイナーを絞った上で比較検討していくことです。
ケーススタディでは2号店オープン告知のためのチラシを作りたいので、
『ショップのチラシ、フライヤーの制作が強みです』など、貴社の欲しい分野の販促ツール制作が得意であると明記しているデザイナーを重点的にチェックし、絞っていってください。
「チラシ、パンフレット、パッケージ、...etc、WEB、アプリ、ロゴ、...etc、何でもかんでもすべてできます」
「あれもこれも全部、なんでもお任せください」
とむやみやたらにうたっている業者は、特にフリーランスは、一見とても頼りになるように感じられますが、"万人に受けたい"、"とにかく窓口を広げておきたい" スタンスであることが多く、まず集客すること・問い合わせをさせることに重きを置いています(*事業ブランディングの一貫で、トータルに制作できるということに関してはまた話が違ってきますので、それはまた別の記事で)。
つまるところ、実作業をほとんど又外注された挙句、さらにその当人が伝書鳩化してろくにディレクションしてくれない...「いや、そんなんだったらそのデザイナーさんに直接繋いでくれよ...」、なんてことになる可能性も。そうすると何が起こるのかというと、「こちらのやってほしいことが全然伝わっていないじゃないか!」となりかねません。
さらに、この部分は必ず当然事業規模(=就業人数)と合わせて見て欲しいのですが、「なんでもできます!!」とうたっているデザイナーが小規模であればあるほど、上記の理由から避けた方が無難です。
逆に言えば、30名を超える就業者がいるような制作会社であれば、ある程度分業化されているため決して排除する要因ではないので、ストックしておきましょう。
もちろん、検索エンジンに限った話ではありません。
クラウドソーシングにおいても、初めて対面で会う場面に対しても、上記と同様のことが言えるので、覚えておいてください。
#2 そのデザイナーの作品をくまなく見る
上記の項目のように、貴社の希望する販促ツールが得意なデザイナーを絞れましたか?
そうしたら、ピックアップしたデザイナーのホームページにある作品集へアクセスしてみてください。
作品="ポートフォリオ Portfolio" だったり "ギャラリー Gallery" または "ワークス Works" とおおよそは記載されています。
万が一、作品をひとつもアップしていないデザイナーは、そのHPがとてつもなく素晴らしいものでない限りは、時間のロスにもなり兼ねないのでリストから外しても構いません。
この時点では、そのHPがいかに綺麗か、いかに綺麗な見せ方をしているかよりも、複数アップされているであろうその作品たちを総合的にチェックしてみてください。
「広告・販促物を依頼するにあたり、『こういうのが理想だなぁ』『こういうの作ってほしいなぁ』と思えるようなものを、このデザイナーは作ったことがあるか」
「作品の画像をただ貼るのみではなく、そこに制作コンセプトのキャプション、説明は添えられているか」
「各作品の全体的な質(「美しい、整合性が取れている」などと感じられるかどうか)はクリアしているか」
作品集は、そのデザイナーに依頼する際のカタログにもなりえます。
貴社の希望するデザインを叶えてくれそうなデザイナーを検討リストに残しましょう。
ケーススタディでは『単価の高いビストロの2号店オープンの告知チラシ』を作りたいので高級感を保ちつつも、周辺の住人にも配布したいとのことから、まずは興味を持ってもらえるくらいのカジュアルさも要素としては必要、になってくるかと推測できます。お客様が作りたいデザインのイメージを、漠然と頭に浮かべながらリサーチしてみてください。
#3 デザイナーの人柄を確認する。コンセプトは掲げているか?
デザイナーの作品集を見て、さらに検討リストは絞れましたか?
それでは次に、ピックアップしたデザイナーのWEBサイトに書かれたコンセプトを見てみてください。これは、そのデザイナーがどんな想いや軸、理念を持って業務に当たっているのかを見るフローです。
"コンセプト Concept" のページを設けているデザイナーもいれば、自己紹介の文中や "アバウト About" に大体は記載されています。
もしこのデザイナーにチラシの作成を依頼したら、何からどう始まっていくのか、どういった経緯にて形にされるのか、また作り手がどういった気概、意欲を持って携わってくれるのか、そういったことを、コンセプトを読んでみて想像できますでしょうか。
もし、それを読んで「ん?」と違和感をもったり、不安を感じたり、「当社とはちょっと(いろんな意味で)合わないのでは*1」と判断ができる何かがあったら、そのデザイナーは思い切ってリストから外してください。
どんなコンセプトや理念を持って仕事をしているか、という事実はもとより、そのデザイナーがどんな人か、自身のデザイナーとしての在り方をどう捉えているか、を知り、判断できるかと思います。
そういった意味で、ブログやSNSのリンクを辿っていき、その "人となり" を見るのは十分に有効な手段です。
*1 「堅苦しすぎる」「いいことばっかり並べすぎ」「おちゃらけた雰囲気が鼻につく」「スピリチュアルな印象があって全体的に不安」など
#4 制作フローとそれに基づいた納期、そして納品方法を確かめる
ここまでのフローで、リストを5つ以内に絞れていたら楽ですね。
ここからは、実際にデザイナーにコンタクトをとる段階に移ります。
新規で発注先を決めていくにあたって、大事な確認要素となるのは "納期" と "価格" です。
まずは納期、スケジュール感の面から見ていきましょう。
*「予算の方が重要なんだけど」といったお客様は、先に次の項目をご覧いただいても構いません
引き続き、ケーススタディのチラシを例にとって話を進めていきますね(忘れてしまった方は、プロローグの#0へ)。
構成からデザイン、さらに料理の撮影まで依頼したく、チラシそのものの納品希望は今から2ヶ月後、といったケースです。
仮に、お客様の方でデザインに入れ込みたい内容(構成)や写真、テキスト等の素材をお持ちの場合は、それらを概要と共にお送りしてくだされば制作側の作業量はおおよそデザインのみになるので、比較的仕上がりおよび納品も早くなりますが、
ケーススタディの内容からすると、
1 2号店新オープンの成功(=まずはオープン時の呼び込み)を模索・リサーチし、
2 明瞭かつ効果的な構成を組み立て、
3 ユーザーの心理に働きかけるデザインを起こし、
4 さらに見栄えのする料理写真の撮影も入り、
5 印刷工程へ
といった流れになります。
特に上記の工程3は、デザイン着手してからご依頼者様がそのデザインに納得がいくまで修正を重ねる段階なので、ここだけで多く見積もると10日前後はかかると見ます。
つまりここで何を判断するかと言うと、なんでもいいから仕事を取りたい or 余力のある(≒暇な)デザイナーは「できますよ!」と必ず返してきますが、納期までの2ヶ月間、お客様の希望納期から逆算し、この案件にかかる時間はいかほどかを精査した上でしっかりとスケジュールを確保し(フリーのデザイナーだと、多忙であればそもそも受注NGの場合もあるのでご了承を!)、さらにそれを明確に示してくれるデザイナーを選んでください。
スケジュール管理、ハンドリングができる/できないは、案件を完遂させる/させられないの鍵となります。
#5 価格(見積もり)は、デザイナーの "品質" と "誠実さ" と "適正な価値設定" から判断する
デザイナーがスケジュールを確保できるとなったら、さて、そのデザイナーに依頼するといくらになるか。いよいよ予算とのにらめっこです。
ケーススタディの例を見ると、
・構成の構築(=ディレクション)
・デザイン
・撮影の手配〜準備〜立会い
・印刷手配から郵送まで
上記の依頼内容で、かつ販促にかけられる予算は10万円前後。印刷の仕様とポスティング等の配布方法をいかにするかの部分を調整すれば、もちろん叶えられる金額です。
話は少し逸れますが、お客様のヒアリングをしている中で「そもそも、クリエイティブにかかる費用の相場が全然わからないので、下手に予算額を言えないんだよね」と、言われたことがあります。
これ、
何にも気にしないでそのままお伝えいただいて大丈夫です。
デザイン金額、予算の件に関しては、語ると長くなるので次回にまわして今回は簡潔に書きますが、
もし予算以外はすべてクリアしているほど気に入ったデザイナーに、予算を上回る金額を告げられたら、お客様の方が「ああ無理だ」と、おそらくそこで諦めてしまわれますよね。それってすごくもったいないんですよ。
多くの優良なデザイナーは、お客様が作りたい販促物に対し、それ(=広告・販促費)にかけられる金額を、まず知りたいんです。
お客様が、デザインにかかる費用を知らないなんて当然のことで、その価値観の違いや誤差を縮めていく、伝えていくのは、我々制作側の仕事であり使命です。
仮に、お客様のやりたいこととその費用感が(あまりにもかけ離れすぎていて)合わないね、となった際、お客様の提示したご予算の中でできる理想に近づける最適な方法を、もしくは、多少ご予算を超えるとしたときに叶えられることを明確にして誠実に示してくれるデザイナーを、最終的に選んでください。
それで、その返答に納得がいかなければそのデザイナーを切ってください。
そして、注意事項をふたつ。
間違っても、お客様が大幅に予算オーバーになってまで、そのデザイナーの言い値のままご依頼されることは、お避けください。
反対に、デザイナー自身で定めている設定価格より、デザイナー側が無理をして大幅に値下げをするという事態になってまでご依頼されることも、お避けください。
前者に関しては、貴社のことなので明確ですね。
後者に関しては、やはり、制作側もどこかで「その金額に見合う仕事の仕方を」と、長年の就労で身につけております。無理のない金額で請け負うからこそ、お客様の望むクリエイティブを存分に生み出すことができます。初期のすれ違いがのちのちにも食い込んできて、ご依頼者様の方に遠慮が生まれてしまったり、案件の途中で大かれ少なかれ意思疎通に問題が生じたりします。
双方が、納得のいく形で案件が遂行できるデザイナーにお仕事をご依頼されてください。
3. おわりに。
クオリティも人柄も申し分なく、さらに価格に納得のいくデザイナーを見つけられたでしょうか。
「デザイン頼みたいけどどうしたらいいかわからないよ」
「いいデザイナーさんってどこで出会えるのかわからないよ」
といった声が、中小企業様、個人店舗様サイドから多く見受けられており、なんとか制作側との溝を埋めたくてこんな記事を書いてみました。
伝えたいことが多すぎて、いろいろと盛り込んだようで端折ったような記事になってしまいましたが、今後、各ステップを補足できるような記事も随時アップしていけたらと思っております。
また、不明な点やご質問がありましたらご遠慮なくお知らせください。
こちらへのコメントでも結構ですし、
SUZUdesignのお問い合わせページからもご連絡いただけます。
たくさんの企業様、店舗様に、デザインのチカラを届けていけるような発信を、引き続きSUZUdesignはしていきます。
【#01_映画】 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 ~ 新作公開につき、前作をおさらいしたい方へ ~
いよいよ、ファンタジーファンが待ちに待った あ の 映 画 が、
来たる11/23(金)に日本で公開されましたね!
このたびリリースされた上記の作品は、皆さんご存知、
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)
の第2作目です。
この初作を「観たよ〜」って人も「まだ観てないよ〜」って人もいらっしゃると思いますが、公開したばかりの第2作目、より楽しんで有意義な鑑賞時間にできるに越したことはないですよね。
そのために、「まずは第1作目の方を(もう一度)、観てみようかな?」って方も多いのではないでしょうか。
というか、
絶対に観てから2作目の鑑賞に臨むのをオススメします。
ちなみに、11/30(金)の日テレ金曜ロードショーで地上波初放送されますので、よろしかったらチェックしてみてください!
1. "SUZUlog" 映画レビューの目的
はじめに当ブログの映画紹介は、
「展開についてゆけずなあなあになる、もしくは、頑張って見てても大した感想がもてない」
「いつも、観に行こうかどうしようか迷ってるうちに公開終了している
「あんなに観たかった作品なのに、結局レンタルや配信サイトにアップされるころには興味が失せてしまう」
「そもそも、映画ってどう観るべきなの?」
といった方に向け、少しでも「気づき」を与えて鑑賞の助けなったり、鑑賞までのひと押しになるきっかけのひとつを作りたくて始めました。
だいぶ偉そうに言ってますが、私こそが上記に挙げたような人間なので、
「通にはなりきれないし、なれるほどの情熱はないけど、
映画を観るのは大好きなんです!」
って人の気持ちはわかりまくりです。
「せっかく1日のうちの2時間を費やすなら、ちょっとでも作品を面白く観たい」
って思っている人たちに向けて書いています。
デザイナーとしての着眼点も交えつつ、私だからこそできるやり方でゆるりと、ちょっとだけ話のネタになりそうな記事を提供していきます。
2. ここが注目のポイント! 抑えたいストーリーの軸
ではさっそく、ここにきてあえての第1作目、
のおさらいを。あらすじをまず記載しておきます。
実際に発売もされたホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書「幻の動物とその生息地」の編纂者である魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが繰り広げる大冒険を描く。未知の幻獣を求めて世界中を周り、ニューヨークにたどり着いたニュート。ところが、魔法のトランクに詰め込んでいた魔法生物たちが逃げ出してしまい、魔法生物を禁じているアメリカ合衆国魔法議会のお尋ね者になってしまう。さらに、魔法の根絶を目論む秘密結社・新セーレム救世軍の暗躍で、事態は思わぬ方向へ転がっていく。
引用: 映画.com
あらすじの補足をしますが、舞台は、ハリー・ポッターの初作『ハリー・ポッターと賢者の石』の物語から遡ること66年前の1926年、アメリカ・ニューヨークですね。
幕が開けると、
さっそくその魔法界の時代感を表す、物騒な新聞記事の数々が約1分間に渡り、スクリーンいっぱいに次から次へと映し出される時間が続きます。
はーい!
ここで、「特にJKローリング(作者)ファンじゃないわアタシ」って方、注目です!
この1分間、新聞記事を見せられてる時間、意外と大事です。
なぜかというと、
ニュートがニューヨークに訪れたこの1962年という時代に、
"何が起こっているのか"
"どんな事件が魔法使いたちを悩ませているのか"
"注目されている人物とは誰で、何をしているのか"
などなど、親切にあらかじめ説明してくれているからです。
そして、これらのほとんどすべてが、この物語にぐりぐりと関係しております。
「この物語の主軸はこれですよ!」
と教えてくれています。
ポッターファンやローリングファンの方は、きっとどの用語を聞いても「あーアレ出てきたね!」となるのでしょうが、私のようにさほど、ポッターファンでもローリングファンでもない予備知識のない人間で、初っ端のこのシーンをぼけっと流して観ていると、割と後々
「この人誰やったっけ...」
「○○○って何やったっけ...」
を連発することになると気づきました。
もちろん作中で、その用語と関連づけるようなエピソードは語られるのですが、それが知ってて当たり前のように語られるので、初見だと、雰囲気をなんとなーく掴み、やっとの思いで必死でついていく感覚に陥ります。
それなら、大枠を把握して鑑賞に臨んだ方が、より作品を楽しめますよね。なので、この1分間に何が流れているのか、一覧にしておきますのでご活用ください。これからの鑑賞を手助けしてくれるはず。
グリンデルバルドとは人物名で、闇の魔術を取り扱うため魔法界にとっては頭を悩ませる存在。ハリポタシリーズの『〜死の秘宝1』にも出てたとの情報があります。
ハリポタシリーズでは、人間のことを「マグル」と呼んでいましたが、この時代のアメリカでは、「ノー・マジ(ック)」と呼びます。なぜ戦争が起こると危惧しているのかというと、"実態のない黒いもの"=オブスキュラスというものが街を破壊しているからです。オブスキュラスとは、いわば自身の魔法の力を制御したが故に生みだされた、闇の力です。このあたり話は、本編で要所要所出てきますので見逃さないように。
アメリカにおけるこの条例と、魔法動物を所持する主人公のニュートがどう絡んでくるか、を注目しましょう。
1926年のアメリカではこの追放運動が激化しているようです。この記事内の写真の女性がちょっとクセ者です。この人の顔を覚えておきましょう。↓
様々な事件や物騒な出来事が畳み掛けてくるので、MACUSA(USA魔法議会)もあたふたしております。が、女性議長の常に冷静沈着な面持ちにドキッとします。この女性の顔を覚えておきましょう。↓
わざわざ「グリンデルバルドはどこ行った」と言ってるので、必ず本作に関係しています。この名前は覚えておきましょう。
だいたい上記の6項目を頭の片隅に入れて置くと、この物語の主軸はこれなんだなと把握しておけると思います。
逃げ出した動物たちをニュートたちがコミカルに追いかける傍ら、ニューヨークの街は得体のしれないものに破壊されていき人間は「魔女の仕業だ」と荒れ狂い、それに対処しようとする魔法議会...
といったところでしょうか。ざっくりと。
3. 動物園にきた気分に! 魅惑の魔法動物たち
本作の主軸と押さえておきたいポイントは、上の項目でお伝えしました。
でも、この作品を楽しむ醍醐味といったらもっともっと他にあります。
本編を終始通して、物々しい事件の合間を縫うかのように視聴者を癒してくれる、大小さまざまな、よく見ると見た目も仕草もとてもかわいらしい動物たちがたくさん出てきます。
上記の写真内は主に逃げ出してしまった動物たち(*一部違うものも)を入れましたが、ニュートがいつも持っているトランクの中には、これ以外にもたくさんの動物たちが生きていました。
公式をきちんと確認してないのでなんとも言えませんが、私が目を凝らして見るからには、全体で20種前後いたでしょうか
次から次へと魅惑の動物たちが出てくるので、まるで不思議な動物園に迷い込んでしまったかのような感覚にもなります。
「トランクの中、どうなってるの?」という疑問が観る前にはありましたが、中盤あたりでしっかり丁寧に描かれていますね。
トランクの中の世界、私はその優しい色合いの、動物たちがのびのびと生きる空間にとても感動してしまいました。
ぜひぜひそちらも堪能してみてください!
特にトランクを飛び出した動物たちに関しては、その特徴や好きなもの、特技などが細かく描写されています。
動物の中で主役級の存在感を放っていたのは、本作公開時にもCM等でたくさん見かけた方もいらっしゃるでしょう、宝石大好きなニフラーでしょうか。
何度捕まえても逃げ出してしまう、困った子です。
でも、本当にどんな仕草もかわいらしいので、見逃し厳禁ですよ♡
4. 他にもまだある。私たちを魅了する世界観とファンタビデザイン
ニューヨークの街を荒らしている黒い風の正体を突き止める
かわいらしい魔法動物たちを堪能する
この2本軸がうまいこと調和されて、本編が構成されているといっても過言ではないのですが、まだまだ見逃して欲しくない要素がてんこ盛りな作品なので、早足にはなりますがひとつひとつ紹介していきます!
ニュートとジェイコブ凸凹コンビ
NYを訪れたニュートと、トランクを入れ違えたことにより巻き添えを喰らってしまったノー・マジのジェイコブは、街のいたるところを探し歩きます。
銀行や宝石店などの鍵を壊したり、ショーウィンドウを破壊したりしながら必死に捕まえようとするニュートに驚き、「おいおいなんて大胆なことをしやがる」と言わんばかりに天をあおいだり、思わずあたりをキョロキョロ見渡して落ち着かない様子を絶妙に演じるダン・フォグラー氏に注目です!
どこかムロツヨシさんを思わせるような、少し情けない感じとか、スットンキョーな相方に振り回されるなんとも言えないかわいいオジサン感がたまりません。
最初にニュートを連行したティナと、その妹クイニーの自宅が魔法で溢れてる
ひょんなことから、ティナの自宅へ招かれることに。
そこには、艶かしい愛嬌たっぷりな妹クイニーがいます。女性として見習いたい要素がもりもりです。
そんな彼女にひと目惚れするという、なんともわかりやすいのがまた、あのジェイコブです(笑)この2人の動向も、この瞬間から見逃しちゃダメですよ♡
本作の舞台は現実世界のニューヨークなので、街では魔法は当然、ほとんど使われていません。そんな中、彼女らの家の中は、洗濯から料理から本の中身まで、すべてが魔法で動いているので、ぜひスクリーン全体に目を配り、それらを楽しんでいただけたらと思います。
私がもっとも気に入ったのは、ティナとクイニーによる料理のシーン。
調理中の "音" 、食器と食器がふれあい舞う "音" が、食事の匂いまで視聴者に運んでくれるようで、食欲をそそられます。
ちなみにクイニーを演じたアリソン・スドルは、元はシンガーソングライターで、映画出演は本作がデビュー作なんだそう。とてもそうは見えず、しなやかで自然な演技をされています。
ハリー・ポッターが入学時に購入指定される教科書にもなっている。
ハリポタファンの心を浮足立たせたエピソードとして有名ですが、ニュート・スキャマンダーののちの著書『幻の動物とその生息地』は、ハリー・ポッターが初めてホグワーツに入学する際に購入する指定図書として書かれているのだそうですね。
(実際に記述してあるその画像を見つけたのですが、個人の方のツイートのものなので掲載は控えます)
また、私たちのいる現実世界でも、ニュート・スキャマンダーの名義にて同著が発売されています。
緑の本はモノクロ版、青い本はそのカラー版、そして赤い本はハリーが実際に持っていた教科書としており、ハリーの落書きがちょこちょこと書いてあるようですね。
私は緑の本モノクロの新装版をタブレットにて購入して読んでますが、ファンタビの世界観は元より、ニュート・スキャマンダーの生き様をより濃く感じられるような著書になっています。
ご興味ありましたらぜひ、この機会に読んでみてくださいね!
5. おわりに。
今回は、現在絶賛公開中の
を見るために、おさらいとして前作の鑑賞のための予習記事を書いてみました。
この記事、1週間前にアップするはずがだいぶ遅れてしまったので、まずは公開せねば...とこのくらいにしておきますが、
MACUSAの内部の様子や、新聞記事広告、魔法動物のさらなる掘り下げなど、徹底研究したい部分はたくさんありました。
また少し時間が取れるときに第二弾として、デザイナー視点でこの作品を紐解いていけたらいいなぁと思っております。
また近日中には、最新作の押さえておきたい/見るべきポイントを中心に、ご紹介記事を書いていきます。
ちなみに『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、huluとUNEXTで配信されているのを確認できています。amazonプライムでも、有料ですがありますね!
この肝心なときにNetflixでは配信期間が終わっております...!
ではみなさん、楽しくゆるりと映画ライフを送ってくださいね♡